みなさんは、人間関係で行き詰まったり、また他人との関係を築くのが苦手で自分の殻に引きこもってしまったりと、そんな経験はありませんか。
人は他人との関わり無しでは生きていけません。
人間関係にまつわる悩みは、ストレスの最大要因と言っても良いくらいです。そこで大切にしたい素質があります。
それは「アサーティブネス(Assertiveness:自己表現、意思表明)」という素質。
一応、日本語訳はありますが、一言では言いあらわしにくいコンセプトです。
でも人間力を高め、他人ともよい関係を築いていきたいと思うなら、とても大事にしたい、“スキル”と言えるでしょう。
自分に備わっていないと感じるなら、意識して身につければよいのです。
では、もう少し詳しくみていきましょう。
◯アサーティブネスとは?
簡潔にまとめるのが難しいのですが、まずは“不安・内気・受け身・怒り”といった感情の対極にあるもの、と考えてみてください。
これらは、もちろん生きていくうえで避けられない感情ですが、これを丸出しにしては自分自身が幸せとは遠ざかるばかりだし、他人との関係も良好に築くのが難しくなります。
「アサーティブネス」とは、まずこれらの感情を克服し、本来の自分の気持ちや意見を正しく、他人に伝えられることを意味します。
とはいえ、ただ闇雲に自分のことだけを主張し、攻撃的になったり、他人をないがしろにしたりするのは、「アサーティブネス」とは言えません。
どんなときも感情的にならず、理性と自分そして相手へのリスペクトを失わずに、コミュニケーションをとることが大切です。
◯ネガティヴな感情とうまく付き合う為には……
自分の考えや気持ちを主張しなければならないとき、不満・怒り・失望・イライラといったネガティブな感情がつきまとうことも現実にはあることでしょう。
そんなときはそうした感情を冷静に、まわりの状況や相手の気持ちも考慮しながら表現することが大切です。
わからないことや納得できないことには疑問を投げかけ、そしてときにはきっぱりと断ったり、反対することも「アサーティブネス」のひとつの特性と言えます。
でも、そのとき忘れてはならないのは、幼稚で子どもっぽい振るまいや態度はしないということ。
相手がわかってくれないからと口調を荒げたり、ヒステリックになったり拗ねたりするのは「アサーティブネス」が低い証拠です。
そんなときは深呼吸をして落ち着きをとり戻すこと、リラックスした状態に戻れば、より冷静に対応しやすくなります。
◯大切なのは「なぜ?」という疑問!
もう一つ“アサーティブネス”には大きな特性があります。
それは権威だったり、みんなが常識と思っていることについても「なぜ?」と疑問を持ち、必要とあれば人に尋ねられること。
「どうしてですか?」「なぜなんですか?」といった疑問をそのまま放置せず、自分が納得できるまで答えを探す。
これは決して相手の上げ足をとったり、反抗的になることではありません。小さな疑問をひとつひとつクリアにすることで、よりよい選択や考えにたどりつける、そうした信念が元になっていればこそ、疑問をぶつけているのです。
「アサーティブネス」はすぐ簡単に身につくものではないのかもしれません。でも、もし人間関係に悩むなら、ぜひこの「アサーティブネス」スキルを体得するよう意識してみてください。プライベートでもビジネスでも、きっとあなたを助けてくれるはずですよ。
文:松岡みずき
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